お盆の新幹線にて



休暇中のとりよたは家でゆっくり休んでいます。こんなにのんびりしたのは本当に久し振りです(*´ω`*)
ですのでこのところ新幹線に乗ってませんが、お盆の帰省客で大変な混雑みたいですね。

会社はカレンダーどおりなので、お盆の時期と言っても休暇がとれるとは限りません。
というよりもこの時期でなければなかなかできない片付け仕事などができますし、どこも混んでいてしかも料金も高いので、とりよたはあまりこの時期に休暇をとることはありませんでした。
新幹線が混んでいるのも東北方面に帰省する人が多くなるからですが、いつも通勤に使っているなすの号は栃木県の那須塩原までなので(福島県の郡山までのものもあります)、通勤客が少なくなるこの時期は他の列車の大混雑が嘘のようにガラガラになります。
東北新幹線は、大宮を過ぎたあたりから街明かりがまばらになってきて、そのうち真っ暗な北関東の田園地帯を走っていきますので、ガラガラの車両に一人で乗っているとなんだか気味が悪くなることもありますね(;^ω^)

この時期になると特に感じることがあります。
新幹線は普段会えない親族に会いに行く乗り物なんですね。
駅に迎えに来たおじいちゃんおばあちゃんを見つけて駆け寄るお孫さんなんか見ると、なんだかほほえましいですよね。
お盆は親族の絆が深くなって、亡くなった肉親や先祖に心を向ける日本の良き風習なのではないでしょうか。

何年か前のお盆のことです。
とりよたはガラガラのなすの号に乗って帰宅するところでした。
最後尾の1号車に東京駅から乗ってきたのはとりよた一人。
貸し切り状態でした。

そうしたところ、上野駅から2歳くらいの女の子を連れた若いお母さんが乗ってきました。
他にはだれも乗ってきませんでしたので、その車両はとりよたとその母娘の3人だけになりました。
しばらくはその女の子はおとなしくお母さんと座席に座っていたのですが、まだ小さくて色々なことに興味があるのでしょうか。
女の子は一人で車内を歩き回るようになりました。
走り回ったりするような危険なこともしていませんし、乗客はほかにいませんのでとりよたも特に気に留めてはいませんでした。
お母さんも少し疲れている様子で、ウトウトしながらあまり女の子をかまったりする様子はありませんでした。

次の大宮駅からはだれも乗ってきません。
乗客は3人のまま、真っ暗な田園地帯を走っていきました。
とりよたはその母娘に全く気にも留めず、ネットやメールで自分だけの時間を過ごしていました。

ふと気づくと、女の子はとりよたの斜め前の座席で、いつの間にか男の子と一緒に遊んでいました。
男の子は女の子と同じくらいか少し上の歳ようですが、いつの間にこの車両に来たのでしょう。とりよたは全く気づきませんでした。
お母さんは相変わらず別の座席で一人でウトウトしています。

とりよたはちょっと気になってしばらく見ていたのですが、女の子はその男の子を「お兄ちゃん」と呼んでいました。
顔だちはよく似ていますので、歳の近い兄妹のようです。
もしかすると隣の車両にお父さんと乗っていたのかもしれません。
わざわざ別々に乗るのも不自然なんですが、とりよたはそう思ってそれ以上深く考えることもありませんでした。
その兄妹はしばらく二人で何か話したり、ふざけあったりして仲良く遊んでいたようですが、とりよたはその後はあまり気にしませんでした。

気が付くとまもなく宇都宮に到着する時刻に。
車内アナウンスを聞いて、荷物を持ってデッキの扉の前で降りる準備をしていました。
しばらくしてその母娘も降りる準備をしてデッキに来ました。

宇都宮に到着し、新幹線を降りたところで気づきました。
男の子がいません。
降りたのは母娘だけで、前の車両からも、もちろんとりよたが乗っていた車両からもさっきの男の子は降りてきませんし、停車中の新幹線の車内をのぞいてもいません。

とりよたは夢でも見ていたのかなと不思議に思いながら、いつもよりゆっくりとホームを歩いていたところ、後ろを歩いていた母娘の会話が聞こえてきました。
「○○ちゃん、何して遊んでいたの?」
「お兄ちゃんといっぱいお話してたの」
「そう。じゃあ、明日お兄ちゃんのお墓に持っていくお花を買って行こうね・・・」

新幹線は普段会えない人に会いに行く乗り物なんですね。
発車した新幹線が真っ暗な線路に消えていくのを、とりよたは立ち止まったまま見つめていました。



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非公開コメント

お盆らしいお話、、、

でも有り得るおはなしですわ。。。


>斜め前の座席

メッセージはここですね。
誰かに存在を知ってほしかったのでしょう。

僕はもう見えない存在だけど、見える人には見えるんだよ。って、
何もない空間には、酸素や窒素だけがあるんじゃないって、  ほほっ。

お墓で待っていられなくて、
>ガラガラのなすの号
まで、お母さんと妹を迎えに来ていたのでしょう。


本当は新幹線はガラガラどころか、
仲間がぎっしり混雑する位に乗っていたのかも知れませんわ。 ほっ。
  

No title

こんばんは~。
うわ~、不思議でちょっと怖いけどステキなお話ですね。
私も今日実家(と、言っても同じ市内です)へ行き
お線香をあげてきました。
またどこかで女の子がお兄ちゃんと巡り会えている事を
祈ります♪

あり得るかも

なんかよい話ですね。お兄ちゃんも喜んでいたのでしょう。目に見えなくても こんなことはあり得ると思います。

No title

はじめまして。

この話、なんだかじーんとしてしまいました。

有り得るお話かもしれませんね。

Re: お盆らしいお話、、、

cosmos さん
こんにちは(*^▽^*)
あの男の子は本当に女の子のお兄ちゃんだったのか、今となってはわかりません。

Re: No title

妄想しぇり子さん
こんにちは(*^▽^*)
このお話はとりよたの体験したことを、ちょっとだけ脚色したものです。
でも大部分は本当の話です。
その時とりよたは、『Open Arms』だったか、確かJourneyの曲を聴いていたように記憶しています。
妄想しぇり子さんからコメントいただいたのも、何だか偶然とも思えません。

Re: あり得るかも

tugumi365 さん
こんにちは(*^▽^*)
このお話は実際に体験したことをちょっとだけ脚色した本当のお話なんです。
女の子もお兄ちゃんも本当に仲良さそうに遊んでいたのが印象的でした。

Re: No title

G&G さん
こんにちは(*^▽^*)
このお話は実際に体験したことをちょっとだけ脚色した本当のお話なんです。
楽しそうに仲良く遊ぶ兄妹が印象的でした。

!!!

毎日あちこちのブロガーさんを訪れますが、このお話し素晴らしい!
引き込まれて何度も読み返しました。
最後の母娘の会話以降のまとめ方に脱帽。

新幹線は普段会えない人に会いに行く乗り物、その通り同感です。
でもそれを日常の通勤に使い、非日常に利用する人びとを見つめているとりよたさんの眼、これからも期待です。

Re: !!!

タコノアシ さん
ありがとうございます(#^^#)
過分にお褒めいただき、うれしいやら照れるやらです(^^ゞ
今後もどうぞよろしくお願いします(#^.^#)

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プロフィール

とりよた

Author:とりよた
偶然か、運命のいたずらか、縁もゆかりもなかった宇都宮に定住し、諸々の事情で都内まで新幹線通勤して早10年以上。都会で仕事して田舎暮らしするのにも大分慣れてきた今日この頃です。

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